Tくん

 昨日は風もなく、穏やかな日だった。
堺浜の展望台で、給水タイムを取っていると、ローディが独り佇んでいた。
挨拶して、話しかけてみた。ベトナムから来日して、専門学校に入り、クレーンの機械設計の会社に就職したらしい。
まだ友達も多くなく、休日はロードバイクで、関西のあちこちをポタリングしているようだ。
大阪箕面市の勝尾寺も走ったと言っていた。礼儀正しく、誠実そうなので、お友達になれそうな予感がする。

夕食後も、ベトナムが頭から離れず、コレクション棚から、一本再生する。


「フルメタル・ジャケット」


アマゾン内容紹介
史上最高の戦争映画!
見事にマッチしたキャスト達がスタンリー・キューブリックの元に勢揃い。殺人者になるべくトレーニングされる非人間的なプロセスを描くベトナム戦争映画。ジョーカー、アニマル・マザー、<デブ>のレナード、エイトボール、カウボーイ他、全員が地獄の新兵訓練所に投げ込まれ、情け容赦ない教官ハートマンに鍛えられる。次々と起こる激しいアクションとストーリー、痛烈なユーモアにあふれた台詞。『フルメタル・ジャケット』は厳しい訓練を終え、舞台となるフエ市を悪夢のどん底に落とし入れた戦争を描いた大ヒット作品。


入隊したての若者に、人格も、プライドも捨てさせる鬼教官。しかし日本企業が急成長する時期、住宅や車のディラーの営業マン朝礼でも、灰皿が飛び、蹴られ怒鳴られ、新入社員はしごかれた。

消灯前の、教典暗唱。日本企業の朝礼では、社是を暗唱することもあった。

行進では、海兵隊に命をささげる言葉を繰り返し暗唱。

訓練が済み、戦場へ出ると、敵の死体を埋める現場を見る。

私たちもグアムで、こんな場所を見つけようと、ジャングルの中を歩き回ったことがある。埋葬した米軍兵士の日報に、場所の緯度経度は記載されているようだが、米軍はなぜか教えてくれない。
日本政府が本気になってくれれば、実現するかもしれないが…


米軍兵士を襲う、ベトナムの若い女性狙撃兵

従軍カメラマンに戦う術が分からない

次にT君に会った時、ベトナム戦争を聴いてみたいと思う。
1975年4月30日のサイゴン陥落によって、ベトナム戦争は終戦したから、T君はまだ生まれていない。しかし父親や祖父は戦った経験があるだろう。
そして、この戦争は、唯一アメリカが負けた戦争でもある。
在イスラエル米国大使館を、テルアビブからエルサレムに移設する問題で、孤立するアメリカに付いて行く日本なら、北朝鮮問題でバックアップしてくれる国も、少なくなる可能性がある。
途中でハシゴを外され、日本だけが孤立するのは何としても避けたいのだが…。
天才、スタンリー・キューブリック監督のこの映画は、未来を予想していたような気がする。官邸には観て欲しい。