グアムの運転免許


グアムへはしばしば行く。パスポートのスタンプは、現在30個以上になったが、まだ増えるだろう。一回行けば、二週間以上滞在するので、トータルで五百日近く住んだことになる。目的といえば日本の寒さから逃れるためだが、今ではビーチを歩き、スノーケルするのが主な目的だ。
バイクに乗ってもいいのだが、ホテルロードで日本人観光客相手に開業しているクリニックのドクターに「グアムで自転車はダメよ、買わないでね」と言われる。
納得できるアドバイスだ。
ローカルの運転は荒っぽいし、方向指示のランプを点けないで急に曲がったり、前方信号が赤でも、右折する。(これは問題ないが、歩行者も注意しなければならない)
時々レンタルバイクで走っている旅行者を見るが、車道に出たら危険この上ない。と言っても歩道は狭く太い電柱が邪魔している。
つまり最初から、道路をバイクが走るようには考えられていない。グアム政府は予算が無いので、インフラの整備は相当遅れているのが現状だ。専用のサイクルロードが出来るなど、夢のまた夢かな。しかし地形に適当なアップダウンあるし、ロケーションは良いから、整備されたら人気が出るのは間違いない。島の南では時々イベントが有るようなのだが…。


グアムで車を運転するには、日本の免許証でも30日以内なら問題ない。しかしグアムの運転免許証を持っていると便利な事がある。
酒を買う時、たまにIDを見せろと言われたり、カードで衣類を購入し、気に入らなくて翌日返品に行くと、IDを出せと言われたり、銀行で取引中にIDを調べられたりと、結構使用頻度は高い。ホテルもローカル料金で泊まれたり、ココス島へ渡る船賃はローカルと同じになる。そこで一念発起して、グアムの運転免許証を取得することにした。
交通法規教本



まずパスポートと運転免許証を日本領事館へ持参する。そこで日本の運転免許証の抜粋証明書を発行してもらう。手数料19ドル。ポイントは運転暦が五年以上あること。そうしないとグアムの自動車学校へ入り、実技から始めることになる。領事館員は試験に受かったら、テンポラリーで一年間有効のグアム運転免許証が貰えると説明してくれる。なぜかと言うと、私のような旅行者は、米国の社会保険番号も納税者番号も持っていない。旅行者なら一年更新で構わないという考えなのだろう。そこでデナイアルレターを発行してもらわなければならない。

このレターは社会保険番号(SSN)を持っていないという意味の書類だ。社会保険協会(現在、場所は空港横の貨物ヤードに移転)へ行く。駐車場は満杯に近く、建物の入り口では守衛に、二時間は待たされると脅かされる。中に入ると、警備員の金属探知機によるボディチェック。OKが出ると、レター請求の件を書き込み、受付に渡す。周囲は乳児を抱えた若い夫婦や年寄りが多い。ここではグアムで生まれた赤ん坊に、グリーンカードの発行手続きや、近くの島からの移民の受付をしている。私も二時間以上待たされ、やっとレターが発行された。

再び税務局に戻り、運転免許試験の申請書に書き込む。申請書とレター、パスポート、日本の運転免許証、領事館発行の抜粋証明書をそろえて提出する。ここはいつも長蛇の列でかなり時間をとられる。受付は慣れていないのか、旅行者がグアムの運転免許を取得するのを理解しない。しきりに隣のベテランと思しきスタッフと相談している。納得したのか、日本語と英語のどちらで受験するのか質問して来た。当然日本語。費用は35ドル。しかしここでは支払わない。来週の金曜日、AM11時からグアム大学で試験があると告げられる。
何とか日本へ帰る前に受けられそうだ。
私が運転免許を取ったのは40年以上前。日本の交通法規も可なり変わっている。ましてグアムの法規がどんなものか、ネットで事前に調べておいたが不安はぬぐえない。いよいよ当日、グアム大学へ一時間前に行く。二階で35ドルを支払い、受験票を受け取る。20分前に別棟に連れて行かれた。
スタッフがやたら多い。
それもそのはず、このクラスの受験は日本、チャモロ、韓国、中国、タガログの各言語で受ける。当然説明が五か国語であった。


さて試験開始。最初は易しかったが、徐々に変な日本語が出てきて解釈に戸惑う。日本人受験者も二、三名いたようで、言葉の説明を求める質問もあったが、要領を得ない。それでも時間いっぱい使い、何とか終わった。テストはマークシート形式で四択。四十問中、80%の32点が合格ライン。結果は翌週の水曜日だと告げられる。
しかしその前に帰国する。


 結果はネットで知らされた。合格者全員の氏名と、点数が記されている。何とかぎりぎりでパス。翌月再びグアム渡航。税務局へ赴き、試験がパスしたことを伝えた。受験票を渡し確認後、日本とほとんど同じ眼の検査があった。隣のブースへ移り、写真を撮られ、サインをする。数分でラミネート製の真新しい免許証が渡される。この時、日本の免許証の裏に、グアムで使用を禁ずる文言を記入された。これで晴れて、免許証を手に入れる。


アくしょん大魔王


週末は時々、ミュージックDVDを、コレクション棚から引っ張り出す。
「リバーダンス LIVE FROM NYC」


アイリッシュ・ダンスとケルト・ミュージックが融合した、世界中で人気を誇るエンターテインメント。米ニューヨーク、ラジオ・シティ・ミュージック・ホールでの公演を収録と、
Oriconのデータベースに記されているが、臨場感たっぷりのライブ版。
初見後、感動と興奮に思わず拍手してしまった。こんなDVDが棚にあるだけで、幸せ感に浸れるのは私だけだろうか。