地味な練習のくり返し 19

 私は還暦になってスイミングスクールへ通いだした。
そんなわけで、四泳法の基礎は学んだし、マスターズにも三回ほど参加した。
 しかしこの歳になると、バタフライはしんどいし、背泳はうっかりしていると、サンゴの上に来て、背中を擦ることがある。
だからグアムの海では、もっぱらクロールか平泳ぎということになる。
 平泳ぎは前が見えるので、魚がいるポイントまで泳ぐのに問題はない。しかしクロールは難しい。プールのようにレーンがないので、潮の流れや、腕のかき具合で、とんでもない場所へ到達することがある。

 昨日は、満ち潮が午前十時前だったので、早目にビーチへ行った。

ビーチは人も少なく、ほとんど貸し切り状態。さっそくスノーケルで肩慣らしを済ませ、クロールの練習。
やはり目標より大きく左にそれる。逸れるというより、左旋回になりかねない。でも遮るものがないので気持ちがいい。
水はあくまで澄んでいて、水中が透明で美しい。

 何度か繰り返し、ビーチから上がり休息する。

ランチの後は、魚の餌を携え、サンゴの上を遊泳する。サンゴはまだ白化してなく、この状態をずっと守りたいものだ。
 結局三時ごろまで滞在し、ライフガードに手を振って、ビーチを後にした。
その後食材を買いに、スーパーへ。
レジのおばさんが、いい色に焼けているね、と愛想を言った。

グアムに来て十日。

あと一週間は滞在するので、肌がタン色になるのは避けられない。