韓国人女性

 私は終戦間もないころ、長崎に住んでいたので、小学校のクラスには、白系ロシヤ、韓国人、中国人、アメリカ人のネイティブやハーフがいた。
 その中でも韓国人は、私が経営していた建設会社にも、いろいろな職種で協力してもらった。
重機のオペレーターは、ほとんど韓国人で、まじめに働いてくれたものだ。


 そして今、グアムは韓国人ばかりで、日本人は肩身が狭い。
観光客がしばしば通うアウトレット、ROSSも、朝から韓国軍団が、我が物顔でショッピングに精を出している。


 この全米一の売り上げを誇るROSSも、売るのは良いが、レジ待ちが1時間は掛かる。ええ加減うんざりするのが、レジ機が28台揃っているのに、いつも3台程度しか開けていない。

この売ってやる、という態度はアメリカファーストなのかもしれないが、韓国人は家族や友達と来て、楽しそうに待っている。


 ここで一時間以上費やし、私は韓国系のスーパーで弁当を買い、ビーチへ。初めは晴れていたが、曇ってきた。

それでもランチを済ませるころには、天気も回復。

すると私たちの前に、三名の韓国人女性が陣取った。
二人は全身黒い水着で、身体の線がはっきり出るスパッツ姿。
残りの一名が、おもむろに服を脱ぎ、水着姿になった。
ブラは黄色、ボトムは空色のビギニで、お尻を大きく隠すデザイン。さらにブラの上から腰まで掛かる網状のアウター。
片膝をついて、ボトルから水を飲む姿は、奥ゆかしい。
ハタと思ったのが、家人が良く見ている韓国ドラマの高貴なお嬢様。すると黒装束の二人は、御付きのボディガードに違いない。


 三名はビーチの右側の人気のない海でスノーケルを始めた。
楽しいのか、はしゃぐ声が私の耳まで届く。


三時前になったので、私は作っていた魚の餌を携え、海に入った。
餌を撒くと、飼っている鯉みたいにわんさと寄ってきて、餌をねだる。
普通の人がやってもうまくいかないが、魚も私が餌係と思っているのか、群がってくる。
撒き餌が終わったので、私はシャワーへ向かって歩き出した。
すると黒水着の従者が、笑顔で私の行く手をさえぎった。


私には「イート」と聞こえた。笑顔で口を開けたので、歯がワイヤーで矯正中なのが判る。
すぐに意味が理解できた。魚の餌が欲しいらしい。
OKと応え、私の席まで寄ってもらった。


魚の餌は、パピー用のドッグフードをボトルに半分ほど入れ、海水に半時間ほど浸したものだ。私が作っている間に、傍にお嬢様も来ていた。ニコニコする笑顔がまぶしい。


 ビーチで見る若い日本女性は、携帯片手に「ヤバい」の連発。
こいつら語彙が貧しいのかといつも思う。


奥ゆかしい韓国の若い女性を、家人にまかせ、私はシャワーへ向かった。
サンセットはこの程度が美しい。