TVの天気図は、グアムの周囲に雲が群がっている。
乾季なのに雨季と思えるほど。始末が悪いのは風が強く、少々の雨でも体温が奪われる。
ビーチに来ているツーリストも、耐えきれず2時間ほどで引き上げている。
午後三時ごろになると晴れてくるのだが、予定のあるファミリーは長居が出来ない。

そんな状況を、日がな一日眺めていると、横から手が伸びてきた。
ローカルだが、一年前ダイビングの手伝いをしていて、日本人女性と結婚した男だった。その後の家庭生活も、あえて聞かなかったが、ビールの好きな男だ。今もそうらしく、ビールの入ったケースを下げ、私に勧めたが、まだ海に入る予定だったので断った。このダイビング会社、日本人の経営だったが、テイクオーバーで韓国系になり、日本人経営者はハワイへ移住し、新たなビジネスを始めたようだ。グアムに住む日本人の、ある意味理想の脱出方法だったかもしれない。
とにかく、この一週間はツーリストにとって、ハズレだったのは間違いない。