トンでもハプニング

 定刻7時10分発、関空行きのUA151便に乗ろうと、チェックインカウンターの前に立ったのは朝の五時。
受付の女性が、数分パソコンを叩いていたが、申し訳なさそうに「この便は機材の到着が遅れ、変更になっています」
アチャー!
結局夕方6時頃のチケットを用意した。そして食券を申し訳なさそうに40ドル分手渡す。
関空ならこうは行かなかっただろう。
「これ喰って泣け、と言うとんかい!」
昔の私なら言ったかもしれない、いや言うはずがない。
結局、定刻に飛行機はトンでもない。

その食券に似たわびしいスタンドで、トーストとコーヒーを頂く。
いやぁ、旅はしてみるものだ。経験が人を謙虚にさせてくれる。

今回はショートリブを齧っていて、骨の周りの旨い部位を嚙みきったら、インプラントがポロリと取れる。低気圧の荒波で、サーファーズイヤーになり、抗生物質をまだ飲み続けている。
カモシカの生まれ変わりと称賛したチチパスは、荒ぶる豹のごときナダルの餌食になった。
しかし二十歳の彼は、いい経験をした。これから何度かフェデラーと、ナダルに立ち向かうだろうが、ジョコには近づくな!
ジョコの刺客は錦織しかいない。ゴリラに生まれ変わった錦織が、ジョコをきっと倒す。それまで近づくな!
それにしても勝負の世界には、必ず目の上のタンコブがいるものだ。
チチパスよ、これに懲りず、これからもいい旅を…