チエン、チエン、チエン…

 久しぶり最悪の旅だった。
事の発端は、前日のブログの続きから…
その日の午後遅く再び空港へ赴く。新しく発券してもらい、チェックイン。
ヤレヤレ遅くなるが、大阪へ帰れる。そして早めにセキュリティチェックを終え、空港待合室へ。ここに入ったら、もう外へ出ることはできない。

気長に待つことにした。成田行きのユナイテッド機に乗る人で混雑していた。しかしそれも飛び立ってしまうと、途端にツーリストの数が減っていった。

しかもどんどん減っている。空港スタッフも三々五々引き上げ始めている。
私が乗る関空行きの16番ゲートは、家人と二人だけ。
気になって、壁にかかるボードを眺めた。
小さい字で分かりにくいが、深夜の1時45分に変更になっている。
どういうこつちゃ?
歩いてきたスタッフに訊いてみた。
「機材が遅れています」
木で鼻をくくったような返答。食券を貰ったからと言って、それはないだろう。グアムのアルアルで、自分の関係ないことに、あまり深く考えない。

要領を得ないので、チーフみたいな人を呼び出し、訳を訊いてみる。
やはり機材が遅れていると言う。
「待ってもらえれば、乗れますけど」
その時、深夜便までの待ち時間は、9時間ほど。えいっ! 腹くくって待つか…。私は決心して、フードコートのうどん屋の前の半円の椅子に寝転んだ。不思議なことに、乗客の姿がほとんど消えている。
転寝していたが、夜10時前に起こされた。頼りないチーフみたいなのが申し訳なさそうに言う。
「まだ機材の予定が立たず、今夜はもう飛びません」
横には、私が転寝する前、ビールを飲んでいた二人の日本人が立っていた。
彼らも餌食になったようだ。
チーフが申し訳なさそうに言う。
「今からホテルを用意しますから、明日朝の予約便と同じ時間に乗れるようにしますから…」
それで堪えてくれと言うのはミエミエ。
「なんで遅れる理由を、早くいってくれないんだ」
私は戦闘モードになろうとしたが、こんな所で野宿みたいなことをするより、ホテルの部屋で寝て本来のUA151便に乗れるのならそちらが良さそうだと傾いた。
そうと決まれば、さっさとベッドて寝たい。
私が納得したので、新たにチケットを発行すると言う。そのためには一度入国審査室に入り、審査官にパスポートを見せ、チェックイン場所まで戻り発券してもらう。どちらも私たち4人のために、人が残っていた。
待つこと一時間。チーフが券の束を持って現れた。まず明日の搭乗券。
これはOK。これで24時間遅れだが、定刻に出発できる。
他に食券、ホテル宿泊チケット、送迎タクシーチケット、私ら夫婦は合計350ドルあった。
翌日迎えに来た運転手が、遅延の原因の一部を話してくれた。
香港行きの便が、機体の不良でUターンしてきたらしい。その便を関空行きに使用するはずだったのか定かではない。
またこの話も、噂の域を出ず、本当の話、どうなのかも分からない。
ただ一つ分かるのは、グアムの現場スタッフも、直前になるまで事情が分からなかったようだ。分かっていれば話してくれたかもしれないが、こちらはツンボ桟敷でイライラするだけ。
電車や飛行機事故は時として、シークレットな報道は、すぐ出ないこともあるが、そのことは利用する方も、理解するべきだろう。
Uターンして戻って来た客も我々が泊まったホテルに押し込まれたから、ユナイテッドも相当懐が痛んだのか、ハイアットなど泊まれるはずもなく、その辺で一番安いキャピタルホテルだった。


そんな訳で今、自宅デスクに座りブログを書き終わりホッとしている。
しんどかったが、グアム旅行の思い出として、いつまでも残るだろう。