充実した一日

 私はこの時期、事務所の大掃除を敢行する。予報ではこの日を除いて好天は期待できないらしい。
扇風機、ブラインド、網戸が各五台。すべての窓ガラスをクリーニング。
しかしキックオフまで時間がある。大泉緑地へポタリングするが、大勢の人で舗装路を漕ぐのも危ない。仕方なく藪に入るが蚊の襲来。短い時間で帰宅する。早めの夕食だが、昼間の疲れでアルコールを入れ過ぎると眠くなるので、晩酌は焼酎五杯ほどで我慢。

やがてキックオフ。スプリングボックスは優しそうな動物だが、コートに現れたのはサイのような筋骨隆々。

やり切った福岡選手、次のステージは医学生のようだが、既に予備校の先生が応援のスタンバイしているようだ。

キャプテンのリーチは、さすがに気持ちの切り替えが早い。
選手を労い、スタッフにも感謝。

陽気な松島も、心は日本サムライ。キャプテンシーが見える田村は、もう次のステージを考えているのか…

ワンチームの輪、稲垣啓太はみんな家族だと思っていたと、涙。

試合は地力の強い南アフリカに軍配が上がったが、この強さは何処から来たのだろう。スキルやフィジカルの強さはもとより、折れない心の強さが勝利には欠かせない。
アパルトヘイトによる27年間もの投獄の後、黒人初の南アフリカ共和国大統領となったネルソン・マンデラは、差別や格差で分断されている民族の団結には、ラグビーで国を立て直そうと図る。
白人と黒人はチームを通し、融和を国民に示し1995年のワールドカップ開催国として優勝する。
南アフリカの選手はこの事を忘れるはずもなく、試合に臨む。
特定の学校を創立させたりするような、どこかの指導者と違うマンデラだったから、選手たちは最後の心のよりどころを持っている。しかしこのようなストーリーを紡ぎ出す、クリント・イーストウッドも凄いし、マンデラを演じ切ったモーガン・フリーマンの肩には神が降りたようだ…