絶好のバイク日和

 快晴、微風、20°C 近くの土手を登り下りするのはもったいないので堺浜へ漕ぎ出す。連休明けで河川敷でも重機が動き、ダンプが走り忙しそう。
舗装工事でスロープが通行止めになり、警備員に階段を下りるように指示されるが、バイクを運ぶ警備員もいて、配慮が行き届いている。バイクが走れる場所まで運ばれた時、年かさの警備員が私のバイクをしげしげと見て「これはエエ自転車や、だいぶするでしょう?」大阪の人はすぐに値段を聴く。嘘を言っても仕方がないので、私は「六十五万円」と応えバイクに跨った。背後から仲間の警備員と話す声が聞こえる。「ひぇー! 車が買えるやん」

大阪湾も航跡だけが目立つほど穏やか

去年川底を浚渫したのに、既に土砂が堆積している。

アクション好きの私には、敬遠したくなりそうな邦題
しあわせの隠れ場所
親切の押し付けで、お涙頂戴の映画かと思ったが、既に10回以上は鑑賞しているホッコリ物語、しかも実話らしい。
裕福なセレブ一家に拾われた貧しい黒人少年が、その家の主婦から才能を見出され、アメフト界のスーパースターに駆け上がるストーリー。サンドラ・ブロックがヤンキー母さんを熱演、オスカーを獲得した。原題は「The Blind Side」アメフトでは死角を意味するらしい。成功物語の裏話と言う意味か…
人に親切をするのは難しい。グアムのビーチで見かけたアラフォーらしき白人男性は、痩せてブツブツ独り言。破れたジーンズ、よれよれのシャツ、汚れたベースボールキャップ、ゴム草履。一見ミリタリー崩れかと思われる、肌の汚れと痣の跡。しかし沖のサンゴ礁を見る眼は虚ろではない。ドラッグ中毒には見えなかった。
その日ウォーキングしていた私は、前日も見ていたその男性に、20ドル渡そうと、水着のポケットに入れていた。ハイアットホテル近くのビーチだが、人影はなかった。
私はそっと、ランチでもと言ってと20ドル札を差し出した。
彼はいったん私を睨み拒否した。そして乞食ではないと、そのような意味の言葉を投げかけてきた。
私はどのような態度をとれば良いのか、一瞬迷ったが「O.K」とだけ反応してその場を去った。周囲に人がいれば、多分恥ずかしかったと思う。アジア人の私に、施しの態度が見られたのだろうか?
彼のプライドが許さなかったのか?
あくる日、ヒルトンからウェスティンまで歩いたが、その白人の姿はなかった。二年前の話だが、いまだにその場所を通れば思いだす。