007/ 男の熟成

シニアの生活は朝が辛い。私は今の時期 4 時半に起床、ベッドからそろりと抜け出す。
ここが肝心で、ガバッと起きると、ぎっくり腰や関節を痛めかねない。
過去に学習したので、ここはゆっくり腰を上げベッドを離れる。
短パンとTシャツで表に出る。軽くアップを済ませ、息を吸いながら両手を上へ、息を吐きながら両手を広げ腰を下ろしていく。決まり手は蹲踞の姿勢(そんきょの姿勢)。
10回やって終わると、朝の活力が湧いてくる。


ダニエル・クレイグジェームズ・ボンド役を終えることになった。
ボンドシリーズで一番好きだった彼の降板は、残念だが仕方がない。
それまでのボンドは、ショーン・コネリーを除き、だんだんお子ちゃま映画へ進み、荒唐無稽さが鼻についてきていた。
それは制作陣も同じで、原点回帰を模索していた。

ダニエルの知らないところで、彼を推す声が持ち上がった。

しかし彼の推薦は、メディアも含め、巷は半信半疑だった。

そしてついに決定。

アクションスターになるための、本格トレーニングを開始。

しかし、まだ一本も観ていない人たちは、疑問を呟いた…

一作目が公開されると、手のひらを反すように好評だった。
私の待っていた、これこそ本物のジェームズ・ボンドだと確信した。

彼は降板したが、引退したわけではない。ショーン・コネリーがボンドを離れた後、さらにいい役者になったように、ダニエル・クレイグも変化すると思う。熟成が旨いウイスキーの必須条件のように、いい役者は熟成によって、さらに磨きがかかる。
今後を期待してやまない。