しんどい旅の終わり

早朝、帰国便に乗るためグアム国際空港へ。

ユナイテッドのラウンジは閉鎖しているのでキオスクへ。
家人が「このコーヒー10ドルよ」と言いながら戻ってきた。
差し出されたのはカップコーヒー。嘘やろうと思いながら、ボッタクリやなと呟く。すると家人の後ろに並んでいた若い女性が、数枚のドル札を握って近づいて来た。
お釣りらしく、家人は頷いて受け取っていた。20ドル札でコーヒー代を渡したが、お釣りがなくこまかい札を店員は揃えていたようだ。店員の待ってという言葉が分からないで戻ってきたというわけ。ったく…、

機内に乗り込むと、CAが税関申告と誓約書を持ってきた。しかし私が携帯の青を翳すと、それでOKですと引き下がった。空港ではチケットと同時にPCR検査の陰性証明を見せたが、機内ではその確認だったと思う。
乗客は30人もいない。CAも暇なのか、食事を配ると仲間とお喋りに忙しい。
私は最前列のシートだったので、それとなく彼女たちの様子を見ていた。
話が佳境に入ったのか、私から見えるCAが涙を両目から溢れさし、しきりに指で押さえている。陰のCAが手を伸ばしハグして背中をさすっていた。かなり深刻な話だったのだろう。飛行機は和歌山近くまで来て、着陸最終の準備に入った。
泣いていたCAが、私の席に近寄り、「前に、何度もお会いしましたね、覚えていますよ」
相手はマスクをしていて私にはわからない。私はあいまいに頷き、ピーチのCAは機能的だが、ユナイテッドは情緒がまだ残っていると思った。
到着して機外に出ると、シャトルには乗らず、かなりの距離を歩く。いよいよ青になった携帯を見せる時だ。学生バイトだと思われるスタッフが数十名両側に座り、帰国者を待っていた。スタッフは携帯のQRコードを読み取り、ここでは一分も掛からなかった。
次もかなり歩き顔認証機械にパスポートを押し付ける。普通の人は数秒で扉が開くのに、私だけは顔を認証してくれなかった。数回別の機械をたらい回しにされ、結局審査官の部屋へパスポートを持っていかれ、スタンプを押してくれた。
次はスーツケースの受け取り。カートに乗せ、最後の関門、税関にさしかかる。
ここで若い税関員が、家人スーツケースを開けるように指示する。
どうぞと許可すると開封、火薬検知の紙を中身に当てている。グアム空港でも以前経験があるので黙っていた。
最後にOKですとなったが、家人が力任せに詰めた品物のせいで、蓋が閉まらない。
台の上で三人がかりで作業していたが、見かねた家人が、下におろして作業したら言う。
しかしなかなか閉めることができない。パッキングはある程度経験がないと上手くいかないが、家人はこのへんは達人。何とか元通りにしてそこから退散した。


関空の鉄道切符売り場。御覧の通りスカスカ。いつもはごった返し群衆をかき分けるのに…
そんな訳で、いろんなことが起きる今、ドル高のグアムへ行くのはもう少し先の方がお勧めだろう。