ビアンキ

 午後遅くから、雨雲が大阪湾に掛かってくるので、ランチを摂ると直ぐに漕ぎ始めた。
大和川右岸を走り、阪堺大橋を経て堺浜へ

堺浜を一周し、左岸を戻り始めたら友達がビアンキのミニベロを触っていた。ブレーキの調整らしい。
バイクを変え、乗らせてもらう。

こんなバイクで、ラケットを担ぎテニスコートへ行ったら、センスのいいオッチャンに変われるかも…

帰宅し、雨音を聞きながら観たのは…


「アメリカン・ソルジャー」


アマゾン解説
主演は『セッション』のマイルズ・テラー
 アカデミー賞で多くの賞を受賞した『セッション』で主演したマイルズ・テラー。彼がイラクの戦闘で苦悩する兵士役を演じている
戦火の中のイラク。アメリカ陸軍兵士のアダムの乗る軍用車の車列に迫撃砲が炸裂。建物屋上に退避して応戦するものの、仲間の頭部を銃撃され、仲間を背負い救出するアダムだったが…
リアルな戦争を『アメリカン・スナイパー』の脚本家ジェイソン・ホールが監督と脚本を担当して描く


私はこのような若い兵士と、隣り合わせでユナイテッド航空の、グアム行き便に乗ったことがある。

この映画も実話だが、私が飛行機で乗り合わせた若いグアムの兵士も寡黙だった。ちょうどイラク戦争の最中で、グアムからも多くの若者が出兵した。
その頃うわさで、離島のローカル兵士は最前線に放り込まれると言われていたので、命からがら休暇を貰ったのかもしれない。
この映画はPTSD(心的外傷後ストレス障害)を扱っている。
初心者が戦場で受ける心の障害は、その後の社会復帰に大きな影響を及ぼし、日本でもイラクから帰還した自衛隊員に、29名もの自殺者が出ている。
夜の便、関空から隣に座った兵士は、簡単な食事が出るまで寝ているようだった。配られたハンバーガーを彼はすぐに平らげた。
食事を既に済ませていた私は、手元の包みを彼に手渡した。
一瞬驚いたようだが、すぐ食べ始めた。
私は「しんどかったやろうな」と思ったが、それ以上
声を掛けなかった。グアム空港に着陸し、席を立つとき、彼はこちらを向き、白い歯を少しだけ見せた。
この映画を観終わった時、その時の光景を思い出し、彼もPTSDになっていないことを願った。