Give Up

  久しぶりの山トレイルレッスン
Tシャツの下に、プロテクターを着込んだのが悪かったのか、ヒルクライムを始めて、直ぐに大量の汗。
 登り始めて30分ほどで、今日はダメだと感じる。
師匠と仲間に、先へ行くように伝え、私は木の根元にへたり込んだ。

参加者は私も含め4名。みんなの迷惑にならないように、後から追いつくと言いつつ、立ち上がる気はしなかった。
森の中とは言え、風の吹き抜けは無く、このまま頂上へ向かえば、途中で脱落するのは目に見えている。
 私の調子を見かね、師匠と参加者二名は先へ漕ぎ出した。
額の汗は何度拭いても、吹き出てくる。水を補給しても噴き出す汗の量と辻褄が合わない。このままなら熱中症だ。
師匠の進言で、仲間はもう一度トレイルを往復練習するから、
その間私の回復を待つとアドバイスする。
 私以外の3名は出発した。それから小一時間。
今日初めて参加したローディさんが戻ってきた。
「師匠と仲間のMさんが、誤って谷へ落ちた。あなたが回復したら、出発点のキャノピーへ戻るように」
 私の所為で、別のルートを試したが、多くの倒木でミスったらしい。Mさんのスポークが折れ、タイヤに突き刺さりパンク。走行不能とのこと。
師匠もしばらくして私の場所まで戻ってきた。
「出発点まで戻ってください、私はローディさんといつものトレイルを走って来ます」
私も責任を感じつつ、Mさんが待つ出発点へ坂を下って行った。
Mさんと合流し、待つこと二時間近く、師匠とローデイさんが戻ってきた。トレイルを外れ相当遠くまで漕いだらしい。
 まあ、結果的には大したことは無かったが、一歩間違えれば、仲間以外にも迷惑をかけるところだった。 

私は前日、比嘉真美子のプレーを見ていたので、深追いして傷を大きくするより、目の前の現実に気づくことを重要視していた。

藪に打ち込んだロストボールでも、カラスにボールを取られても、慌てない気持ちはゴルフで鍛えられていた。
今日は役に立ったようだ。