半世紀近く前…

 大和川右岸を漕いでこの辺まで来ると、半世紀近く前のことを思いだす。大手ゼネコンを三年で辞め、自営を共同で始めたころ、下の車道をダンプで走ったものだ。
南港の埋め立てが最盛期で、有りと有らゆる廃材、土砂、ゴミが運び込まれ、道路は砂塵が舞い混雑していた。
食品も捨てられ、中には消費期限を過ぎたのか、大型トラック満載の封を切っていないチューインガムとか、菓子類も捨てられ、カラスが上空で舞っていた。
数台の大型ブルドーザーが動き回り攪拌するので、その臭いは南港入り口に到着したのを知らされた。

大和川は上流からの土砂で直ぐ浅瀬になり、操船していたモーターボートを河の真ん中で座礁させてしまったこともある。
その時は満ち潮まで待って、ボートが浮いたころで脱出した。

この映画が評判になる頃、映画館へ行く前に、私は原作マリオ・プーゾのハードカバーを買って、線を引きながら読んだ。
オスカーを獲ったマーロン・ブランドは、頬に脱脂綿を入れたメイクで、一家の長としての貫禄を見せつけた。

若かったアル・パチーノは徐々に凄さを増し、ゴッドファーザーを父に持つ巨大マフィアの三男を演じ切った。

この女優を見ると、ロジャー・フェデラーの奥さんを思い出すのは私だけか…