デンジャラス・ゾーン

 あまりに爽やかで五月晴れ、絶好のバイクデー

午後から大和川堤防下を走る。

半月前に草刈りが済んでいるのに、すでに次が生え始めていた。いかにも蛇がたむろしていそうな場所だ。

折り返し、阪堺電車のガード下に来た。真夏になると40度になりそうなコンクリート堤防。パンツ一枚で日光浴しているオッチャンがいる。

帰宅途中バイクショップに寄り、エアサスのチェックをしてもらった。


そこで昨日のつづき
「実践コース」に参加したのは、20名ほどだった。八割は「入門コース」でシャツフルに掛けられ残った人たちで、残りは新人か古狸か分からないクラス構成。
  最初の授業で、講師の発した言葉は、今でも覚えている。
 「今日からの授業は、プロ作家を目指す方の為のものです。
文章を書くのは、恥を書くと覚えてください」
  要は、プライドも格好も付けるなと言う事だろう。
 生徒の自己紹介が始まった。物書きを始めようとする人ばかりの集団なので、内容も意気込みと欲望が垣間見えて面白い。
  
  元アナウンサーや、自殺未遂者、すでにプロの作家、元教師、商社マン、翻訳家、自営業の主婦など、人生模様も色々だ。
  私の番になった。
 「目指すジャンルは、ニューハードボイルドです。作家版のサム・ペキンパーを目指し、受賞したら皆さんにフレンチをおごります」
おおかた主婦だったので、フレンチをおごる、というフレーズだけを理解したらしい。好奇の眼差しが、私を値踏みしているのを感じた。
  月三回ほどの授業が始まった。講義の終わりに、講師は生徒を三名ずつ選び、作品提出を促す。選ぶのは生徒の自由で、エッセイや自分史、評論、詩歌、そしてもちろん小説、なんでもOKだ。
  指名された生徒は、自分の書きたいジャンルを仕上げ、二月後に提出。すぐその作品は全員に配布され、次の授業で合評になる。
 合評と言っても、誤字脱字、句読点の間違いから、文章の構成まで、同性の指摘は、重箱の隅を突くほど細かく厳しい。


作品を書いた生徒は、批評をじっと我慢して聞いている。いずれ自分が批評に回ったら、酷評した相手をやっつける算段をしながら…


 講師は時々助け舟は出すが、生徒同士のやり取りをじっと聞いている。たまに男の私に、意見を求めてくるが、出来の悪い作品には「この程度なら、応募しても、賞にカスリもしませんな」と正直に言う。嫌味に聞こえるかもしれないが、こんなことを言われてヘタルようじゃ、プロとしてやっていけない。


 私は短編を二度ほど提出し、いよいよ応募作品を書き始めた。


プロットはおおかた決まっていたので、ディテール仕掛け、その回収方法などを再点検しながら書く。推敲に推敲を重ねるので、多くは書けない。


 書くと言っても、一日原稿用紙に換算して五枚ほど。応募作品は原稿用紙でなく、A4に縦書き、一行の字数まで勘案しなければならない。
今はパソコンのワードで書けるが、当時はワープロでインクリボンを使って印字した。
                 つづく
  
アクション映画が、三度の飯より好きな、アくしょん大魔王
のコレクション棚から紹介する、今日の一本。


「特攻大作戦」
 
(「キネマ旬報社」データベースより)
ロバート・オルドリッチ監督がリー・マービン、アーネスト・ボーグナインほか、個性豊かな俳優陣で贈る戦争アクション。ノルマンディー上陸作戦前夜。ライズマン少佐と服役中の12人の兵士たちは、ある作戦を決行するが…

何事も新しいことに挑戦しようと思ったら、特別攻撃の精神で進まないといけませんね。