思い起こせば…

グアムはこの数日、天気が悪い。日曜日は朝から平和寺にお参りした。
私がグアムに通い出した原点も、ここと関係がある。
南太平洋戦争で戦死した日本人兵士の遺骨は、まだ一万数千柱、日本に戻っていない。
その埋葬場所を、一生懸命探す日本人の依頼を受け。応援に駆け付けたのが縁だった。

ウクライナのように、数か月前に埋められた場所は、市民も見ていたので、すぐに掘り返されたが、70年近く前に米軍に埋葬された場所を特定するのは難しかった。
米軍は埋めた場所も方位で分かり、日にちも数も作業日誌からわかるはず。
しかし日本政府に教えることはなく、教えたとしても掘り返さないことが条件だったかもしれない。
我々は、米軍が埋めた場所を知る老人の話を聞き取り、その場所を掘るにも何も発見できなかった。その老人たちも鬼籍に入り、うわさも聞かなくなった。
米軍は重機で穴を掘り、死体を投げ込んだら埋め戻したのだろう。我々がつるはしやスコップで掘り返したところで、岩盤や根を張るジャングルで見つかるわけはなかった。
埋められた場所は、米軍や個人の敷地だったので、隠密行動の作業だったのでなおさら難しかった。
よしんば見つかったとしても、厚労省は余計なことをしたと顔を顰めたかもしれない。
そんな訳で昨日は、我々の力が及びませんでしたと謝罪とお参りを済ませた。

以前は修学旅行の定番だった場所も、今は静寂に包まれ、日本からの観光客を待っているような気がする。

ビーチへ行く途中、ランチにフーディーズに寄った。隣のハンバーガーを購入。
入り口前に、30前後の女性が座り込んでいた。私たちが食していたら、彼女の姿が見えた。
おなかが空いているようだ。家人がコンボのおまけを持って行った。有難うと受け取り、
そのあと移動して、隣の店へ入った。私は彼女のジーンズの後ろポケットに、ハンバーガーも入っているのを認めた。
彼女はバーガーとオマケのハッシュドポテトを手に入れ、隣の店でペプシを購入して消えた。グアムでは逞しくないと生きていけない。

イパオビーチも小雨がぱらつく天候。

しかし隣接の公園は、企業の総合レクレーションイベントらしく、家族連れの社員が、各自社のテントで食事やお土産をもらっていた。
心配そうな表情の幼女に目が行った。

それもそのはず、ボルダリングのタワーをよじ登っているトップの青シャツと黄色のシャツの少女は、幼女の姉たち。

先にトップの少女が、頂上の赤ボタンを押した。成功だ。

地上に降り立った少女は、周囲にドヤ顔を披露した。やっぱりグアムの女性は逞しい。