疲れる帰国

 観光で成り立っているグアムも、肝心なところで不評を買うことが多い。
グアム国際空港の発着便の多いゲートは、一番奥にあるので、着陸したお客が出るまで、出発の旅行客はセキュリティの関係では入れない。
真ん中がパーテンションで区切られているが、奥も閉められているので、出発組は袋のネズミ状態。
と言って、場内放送があるわけではない。おまけに関空行きは、手前の隙間から入るようになっていて、その事を知らない客が右往左往。人は良いのだが、親切心や思いやりは欠けている。
まあ、関空は素晴らしい空港なので、これが普通だと思うほうが無理で、ローカルの飛行場へ行けばもっと酷い所があるはず。

しかし出発時間は守られ、定刻に関空に到着。今回も予想通り、顔認証装置は作動せず、奥に連れていかれ係員にスタンプを押してもらった。指紋は確かなのに、人相なんか直ぐに変わるものを認証しているのだから、機械が間違うのは仕方ないか…
二階のJR駅に向かう途中、外は久しぶりの晴天らしく、クマゼミの大合唱。セミを知らないグアムのローカルは、この鳴き声をどう思うのか気になった。
電車で隣の席に、父親と成人男女の子供たちが乗ってきた。
ロシア人の父親は、車窓から見えるネットを張ったゴルフ練習場を指さし「あれはボーリングの練習場で、ガーターが並んでいる」と話している。何故か英語とロシア語で喋っていたが、私は訂正せず黙って聞いていた。
私達も外国へ行けば、勘違いすることもあり、後で本当の意味を知る事が多い。ここはロシア親父に花を持たせた。

堺駅まで迎えに来た息子に、晴天は今日だけと聞き、家に着くと直ぐに、紫蘇と漬けていた大玉の梅を屋上へ運び、ネット台の上で半日干した。10kgの梅を並べるのに、炎天下でグアム以上の汗を、タオルで顔を覆う…ハァー、しんど。
台風の影響で土曜までは雨、晴れるのは来週かららしい。
本格的な土用干しをするのはその頃からで、気を遣う梅干作りになりそう。しかし苦労して漬けた梅は、一個でご飯一杯食べられるほどの味になる。